かこさとしさんは、「だるまちゃん」シリーズや「からすのパンやさん」などの絵本で知られ、生涯で600点以上の作品を世に送り出し、6年前、92歳で亡くなりました。
新たに出版されるのは「くらげのパポちゃん」という作品で、戦争で死別した親子の思いをつなげようと、クラゲのパポちゃんが奮闘する物語です。
3年前に、神奈川県藤沢市にある、かこさんの自宅で、未発表の原稿として見つかったもので、書かれた時期は、かこさんがデビューする前に子ども向けの紙芝居を制作していた昭和25年から昭和30年にかけてとみられます。
見つかった原稿には挿絵がないため、出版にあたっては、かこさんの死後、作品に挿絵を描いた経験がある、孫の中島加名さんが、イラストを担当するということです。
遺族によりますと、去年12月に、未発表の原稿が見つかったことを知った出版社から絵本にしたいと打診があったということで、出版は来年の春ごろを予定しています。
かこさんの長女の鈴木万里さんは、「この物語が戦争について考えるきっかけになってくれたらという思いがわき上がったので、出版が決まって本当に喜んでいます。皆さんの手元に届けられるまで頑張りたいです」と話していました。